電気通信主任技術者には、科目免除制度があります。
たとえば、工事担任者(総合種、DD1など)の資格を持っていると、『電気通信システム』の科目が免除になります。
工事担任者の内容は電気通信主任技術者とよく似ており、互いの知識が互いに役立てることができますので、並行して勉強していくことにもメリットがあります。
そこで、電気通信主任技術者の科目免除という視点で、工事担任者の受験を考えてみたいと思います。
前提条件
下記の複数に当てはまる人は工事担任者の並行受験も一考に値します。
- (大前提)工事担任者の資格も取りたい。
- (システム科目免除が目的の場合のみ)電気通信システムに合格する自信がない。
- (システム科目免除が目的の場合のみ)より多く出題される計算問題は苦ではない。
- (設備知識の習得が目的の場合のみ)電気通信主任技術者の『設備』はひととおり勉強したが、合格点まで届かず手詰まり感がある。
- 何回分もの受験費用を出す余裕がある。
補足ですが、電気通信主任技術者の試験では『設備』が一番の難関になりますので、設備の勉強をせずに工事担任者を勉強に時間を使ってしまうことは、勉強時間の面から必ずしもよくはありません。
ただ、設備の勉強もひととおり終えているならば、工事担任者の勉強はプラスに働きます。工事担任者のテキストの方が設備系の技術の説明が分かりやすくて理解も進むからです。
科目免除を狙う受験のタイミングについて
電気通信主任技術者の試験は1月と7月で、一方の工事担任者の試験は5月と11月です。工事担任者の受験結果が出るタイミングと電気通信主任技術者の試験の申し込みをするタイミングが微妙にずれています。工事担任者の合格発表の時期には、電気通信主任技術者の試験の申し込みはすでに過ぎています。
そのため、科目免除を申請を考えた場合は、電気通信主任技術者の5回目の受験後の工事担任者の試験がラストチャンスとなります。
とすると、電気通信主任技術者の3回目の受験後あたりに工事担任者の受験を考えたほうがよさそうです。
下記、受験していく順番の事例です。全部で10回も受験するので、本当にこんなことがあるのか(笑)というレベルのワーストケースですが。
- 1月 電気主任技術者受験(法規、科目合格)
- 7月 電気主任技術者受験(設備、科目合格)
- 1月 電気主任技術者受験(専門、科目合格)
- 5月 工事担任者受験(技術、科目合格)
- 7月 電気主任技術者受験(電気通信システム、不合格)
- 11月 工事担任者受験(基礎、科目合格)
- 1月 電気主任技術者受験(電気通信システム、不合格)
- 5月 工事担任者受験(法規科目合格、工事担任者合格)
- 7月 電気主任技術者受験(電気通信システム、不合格)
- 1月 電気主任技術者受験(法規、設備、専門の科目合格とシステムの免除申請で合格)
このケースでは、電気通信システムだけで3回も受験をする機会があり、工事担任者も3回も受験することができます。
したがって、無理に早くから電気主任技術者と工事担任者を同時に勉強する必要はないでしょう。電気通信主任技術者のすべての科目の勉強をひととおり終えて、余裕が出来てからでよいと思います。
電気通信主任技術者の『電気通信システム』は簡単な科目なので、実際には電気通信主任技術者を受けているうちにどこかで受かってしまう可能性は高いです。
必ず、技術から攻めていく
工事担任者も『技術』『基礎』『法規』の3科目を受けることになりますが、まず最初に必ず『技術』を合格するように勉強しましょう。
理由は2つあります。工事担任者で一番難しいのは『技術』なので、これに合格すれば合格の確率は上がります。特に『法規』は簡単です。
また、電気通信主任技術者の資格で工事担任者の『法規』と『基礎』が科目免除になります。先に電気通信主任技術者に合格してしまった(?)場合でも、『技術』の科目合格でもって工事担任者に合格することができますので無駄になりません。
必ず総合種と一緒にDD1を受験する
次に、試験は必ず総合種とDD1を同時に受験しましょう。この2つは時間帯が被りません。
これも理由は2つあります。1つは相性のよい試験問題に巡り合うか運の要素もあるので、受験回数を減らすことで、運悪く相性の悪い問題にあたる可能性を減らせます。
もう一つの理由は、総合種のいずれかの科目に合格すれば、その科目合格はDD1にも適用することができます。そのため、総合種あるいはDD1にいずれかに合格する可能性を高めることができます。
逆にDD1の科目合格は総合種に適用することができませんので、ご了承ください。
ちなみに、総合種はDD1の勉強範囲をカバーしていますので、総合種を勉強すればDD1を勉強したことになりますので、無理な話ではありません。
参考書
下記、勉強するときにオススメの参考書です。
『技術』の参考書です。電気通信主任技術者の『設備』を受けるときにも役に立ちます。
『基礎』の参考書です。電気通信主任技術者の『システム』を受けるときにも役に立ちます。
過去問題集はこちらになります。
まとめ
電気通信主任技術者と並行して、工事担任者を受験する方法を紹介しました。実際には、途中で『システム』に受かってしまうと思いますが、こうした裏ワザがあると分かれば、気持ちが楽になるはずです。
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